四百年の誓い

 「先生……!」


 再び不安に押し潰されそうになったようで、美月姫は圭介にすがりついて泣き始めた。


 「大村、落ち着きなさい。とりあえず部屋に行こう」


 圭介がなだめても、今回は美月姫の耳に届いていない様子。


 ここは自宅前なので、近所の目が気になる圭介は、何とか美月姫を連れて部屋に入ろうとした。


 「大村、早く部屋へ」


 泣きじゃくる美月姫を腕の中に閉じ込め、玄関に入ろうとしたその時だった。


 「!」


 「吉野……くん?」


 なんとそこには、大学の同級生で現在は紅陽学園で同僚である初芝静香(はつしば しずか)が立っていた。


 「初芝! どうしてここに」


 「……」


 静香は圭介の腕の中にいる美月姫の姿を目に留め、絶句していた。


 そして驚いた表紙に静香は、手にしていた荷物を地面にドサッと落としてしまった。


 この状況を目にすれば、間違いなく誤解するだろう。


 圭介が強引に美月姫を部屋に連れ込もうとしてる、と。