四百年の誓い

 ……。


 タクシーはやがて、圭介のマンションの正面に到着した。


 美月姫を先に降ろし、支払いを済ませた後圭介も続いて下車した。


 「右側の棟だ」


 同じような建物が続いていて、慣れない人には覚えにくい。


 圭介が紅陽学園に勤務し始めて以来、ずっと住んでいるこのマンション。


 女を単独で招き入れるのは、はじめての経験だった。


 「先生……」


 美月姫が心細そうな声を出した。


 部屋に入ることをこの期に及んで躊躇したのかと思いきや。


 携帯画面をじっと見つめていた。


 「どうしたんだ?」


 「これ……」


 美月姫は携帯用ウェブサイトの、ニュース速報欄を読んでいた。


 「丸山幹事長の容態、予断を許さず」


 圭介はそれを口に出して読んだ。


 そして幹事長と同席していた男性(20)と秘書(29)が、暴漢ともみ合った際に刃物で怪我をして病院に運ばれたと。


 「29歳の秘書」とは深山京。


 そして「二十歳の男性」が清水優雅であることはまず間違いない。