四百年の誓い

 しかし、


 (二人の人を、同時に愛することはできない)


 美月姫は再び、胸の奥にくすぶる想いを封印する。


 優雅に置き去りにされた時、その埋め合わせをするかのように燃えさかっていた想いは、今でも消えてはいない。


 圭介の顔を見ると、想いが甦ってしまう。


 だけどもはや、以前のように激しく燃えることはない。


 あの浜辺で圭介に拒絶され、もう炎に風が送り込まれることはなくなった。


 時折切ない思い出として、熱が未だに残っているのを確かめるのみ。


 「……そろそろデザート注文するか」


 圭介は携帯電話の時計を確認しながら提案した。


 入店してから、すでに二時間が経過している。


 コース料理ではないので、制限時間があるわけではないのだけど、そろそろ満腹になってきた頃合。


 デザート注文のタイミングとなった。


 「パフェとかありましたっけ」


 美月姫はメニュー表に手を伸ばした。