四百年の誓い

 「それから……、どうなったのですか?」


 「……最愛の男と引き裂かれた女は、あきらめて俺のものになった。だけど心の底ではずっと、彼を想い続けていた。そして突然、彼の元へと旅立った」


 「お亡くなりになったのですか?」


 「……」


 高校時代、美月姫は噂で何度か耳にしたことがある。


 先生が好きだった人は、前世は実は戦国時代のお姫様で。


 先生と付き合うようになったのに、最後は裏切るような形で前世の恋人の元へ旅立ったと。


 その時のショックで先生は未だに誰も愛することができず、ずっと独身のままだと。


 美月姫は頭の中で、かつて耳にした噂話と、今圭介から聞いた思い出話を並べ合わせて考えていた。


 今さらどんな慰めの言葉も、圭介には届かないのだろう。


 (もし優雅くんに会っていなければ、私は先生のそばにいて、凍てついた心を融かしてあげたいと願ったはず)


 美月姫は今でもそう思う。