四百年の誓い

 「至ってシンプルな展開だ。俺は昔々、ある女を好きになった。だがその女には、結婚を約束した男がいた。俺は自分の力を利用して、二人を引き裂いた」


 美月姫は黙って話を聞いていたが、


 「先生がそんなことする人には、どうしても見えません」


 一言そう述べた。


 「人を好きになると、黒を白に変えてでも求めたくなるものだ。今のお前なら、何となくこの気持ちが分かるんじゃないか?」


 「……」


 否定できない。


 優雅と生涯を共にするためには、邪魔するものなんて全て消え去ってしまえばいい……なんて心の奥で願っていたり。


 自分の中の黒い部分が、絶え間なく浮かび上がってくる。


 人を好きになればなるほど、欲しいだとか手に入れたいだとか奪い去りたい、そういう邪な部分ばかりが心を支配してくるような気がして、美月姫は戸惑いを隠せないものだった。