四百年の誓い

 「ああ。訳分からん男が現れて、俺がお前たちを探す邪魔をした。フクヤマフユサトとか名乗っていたけど」


 「福山……。芸能人ですか」


 「んなわけねえだろ」


 「……ですね」


 「あと一つ妙なのは、そいつ着物姿で頭には髷を結っていて。しかも日本刀で俺を脅してきた」


 「バトルになったんですか」


 「最初、優雅が俺を脅かしてるのかと思って、日本刀を取り上げようとした。だけどそんな隙がなかった。あいつはただ者じゃない」


 「隙がない?」


 「そう。俺は幼少期から格闘技を仕込まれて、そこらの相手には絶対負けない自信がある。だけどあいつは違った。絶対にかなわないのを即座に悟った。こんなこと初めてだよ」


 「いったい誰なんでしょうね。その人」


 「さあ。今となってみれば、夢だったような気もするけどな」


 「……」


 美月姫は窓の外の流れる景色を再び眺めた。


 彼女自身もまた、昨夜のことは夢のように思えていた。


 優雅との駆け落ち計画、ログハウスでの待ち合わせ、代わりに現れた京に体を奪われそうになり。


 その前後の記憶が曖昧だけど、気がついたら優雅が現れていて、美月姫を満月が照らす世界へと連れ出した……。