四百年の誓い

***


 まだ午前中なのに、気温は30度に達していた。


 周囲の木々からは、セミの声が鳴り響いていてやかましいほど。


 管理棟付近の、車の進入を防ぐために張られている鎖が外され。


 歩行者用通路を、大きな外車がゆっくりと進んでいる。


 たまたま通りかかったログハウス利用客は、通るはずのない場所を車が走っているのを見て、しかもそれが規格外に大きな外車であるため。


 誰もがすれ違いざまに驚きの表情を見せる。


 大きな外車は、丸山家所有のログハウスの前でそっと停車した。


 まず大柄な黒人が助手席から降り立ち、後方へと回ってドアを開くと。


 テレビなどでよく目にする、国民なら誰でも知っている大物政治家が車から降りてきた。


 真夏なのにスーツ姿だが、冷房の効いていた車内とは違い、外は真夏日ゆえさすがに暑かったようで、上着を脱いだ。


 有名政治家に続いて、彼よりはかなり若い女が車を降りた。


 その後車のエンジンが止まり、運転席から若い眼鏡姿の男が最後に姿を現した。