四百年の誓い

 「優雅く……」


 冗談かと思っていた。


 ちょっとした悪ふざけの延長線上かと思い込んでいた。


 しかし。


 優雅の追いつめられた表情と、首を絞める力が強まるにつれて、美月姫はただならぬ事態を悟る。


 苦しい。


 (私、優雅くんにこのまま……?)


 先ほどまで強く抱き合った名残が消えていかぬ間に、その手は愛しい人の息の根を止めようと。


 「どうして……」


 息も絶え絶えに、美月姫は優雅に問いかけた。


 「このままじゃ俺たち、別れるしか道はないんだ。だったらこんな人生終わらせて、生まれ変わって次の人生に賭けてみないか」


 「そんなこと、」


 可能だとは限らない。


 生まれ変わったとして、必ずまた巡り会えるとは限らないし。


 次も何か障害が二人の間に横たわっているかもしれない。


 今この人生で、可能性がある限り、美月姫は踏みとどまっていたかった。