四百年の誓い

 「びっくりしたな。怪奇現象かよ」


 言葉の割には、京は全く動じていない。


 蚊取り線香は依然として、たき火のように炎を上げている。


 「このまま続ける? それとも消してほしい?」


 そう問いかけた時だった。


 バーン!


 ものすごい勢いで、ログハウスのドアが開いた。


 「……優雅?」


 京の予想よりもはるかに早く、優雅はこの地に辿り着いた。


 「京さん。何をしてるんだ」


 どこから走って来たのだろう。


 優雅は汗だくで、呼吸も整っていなかった。


 だがベッドの上で京に押さえ付けられ、生気のない表情をした美月姫を見て、ただならぬ状況は即座に察した。


 「何してるって? 婚約者と愛を確かめ合おうとしてたところだが? 何か問題でも?」


 「婚約なんて、俺は認めた覚えはない!」


 「俺は幹事長に命令されただけだけど?」


 「そんなの取り消しだ!」


 「だったら俺から、この女を奪い取ってみろよ」


 「……!」