四百年の誓い

 「私、そんなの無理です!」


 「あきらめるんだな。お前が俺から逃げるようなことがあれば、周囲の連中がみんな迷惑をこうむるんだよ。それは優雅だけじゃない」


 「……!」


 京の手が美月姫の口を塞ぎ、声を封じられた。


 「お前は俺の言いなりになってればいいんだ。だからおとなしくしてろ」


 「……」


 怖い。


 逆らったらさらに恐ろしいことになりそうな気もする。


 でもこのまま強引にされるのも……嫌。


 「そんなに怖がるなよ。初めてじゃないんだろ?」


 震え始めた美月姫に気付き、ようやく京は態度を軟化させた。


 落ち着かせようとしたのか、髪を撫でたりもする。


 「いつもどおりにしてればいいんだよ。こっちは優雅ほどは優しくしてやれないとは思うけど」


 先ほどまでのような強引な仕草ではなく、そっと美月姫を引き寄せようとした際。


 京は美月姫がやたら遠い目をしているのに気が付いた。


 単にあきらめたのだと思い、大して気にすることもなく。


 体を重ね、優雅への対抗心もあってか美月姫を早く我がものにしてしまいたいという思いのまま、首筋に唇を這わせた時。


 「冬悟(とうご)さま……」


 美月姫が誰かの名を呼んだのを、京は確かに耳にした。