四百年の誓い

 「先生は関係ないじゃないですか。そんなひどいこと……やめてください!」


 「どうかな。あの教師、優雅に勉強以外のことをあれこれ吹き込んでいたらしいからな」


 「勉強以外?」


 「自由とはなんだとか、夢がどうだとか。人生とは、とか。あの教師と出会ってから、優雅は明らかに変わった。丸山家の後継者としては相応しくない素質をも、身につけてしまったようだ」


 「それって、普通に生きるには当たり前のことじゃないですか」


 「あいつには余計な知識なんだよ」


 「……」


 しばし平行線な問答が続いた後、


 「ま、いずれにしても。お前たちが二人とも、おとなしくこのまま引き返せば、一時の過ちとして幹事長もお許しになるだろう」


 「ゆ、優雅くんを早く着陸させてあげてください! まだ津軽海峡上空を旋回中なんですか?」


 「とっくに着陸して、もう空港を出て、タクシーに乗っているだろうな。そのタクシーが我々の息のかかったものだとも知らずに」


 思わず美月姫は、駆け出して優雅の元へ行こうとした。


 すでに罠が待ち構えていることを伝えるために。