四百年の誓い

 (優雅くんが着いたら、まず話し合おう)


 到着後すぐに、まずは相談しようと思った。


 本当にこれでいいのかどうか。


 引き返すなら今だ。


 今晩一晩話し合って、明日の朝一番に幹事長の元に戻れば。


 急に美月姫に会いたくなって、一晩だけ実力行使に出た……ということで再び、いつも通りの毎日に戻っていけるかもしれない。


 何事もなかったかのように。


 それは……程なく優雅のアメリカ留学という形で、美月姫との決定的な別離を意味するのだけど……。


 駆け落ちという行為で幹事長を完全に敵に回すことを考えると、平和裏な解決なのかもしれない。


 寂しいけどそんなことも美月姫は考えた。


 優雅がどんな結論を出すか、まずは話し合いだ。


 (!)


 その時だった。


 窓の外から確かに足音が聞こえた。


 慌てて窓から外の様子を窺う。


 人影が見て取れた。


 ログハウスの前の通路は車両通行禁止で、人が歩く幅しかない。


 その道の向こうから、誰かが近づいてくる。


 通路の街灯は点在しているが、街灯と街灯の間の距離がかなりあるため、暗闇のほうが勢いを増している。


 輪郭しか見て取れないが、それは間違いなく優雅だった。