四百年の誓い

 いつの間にか一時間以上、うたた寝をしていたらしい。


 移動で疲れたのと、気を張り詰めていたことによる心労もあったのかもしれない。


 美月姫は無事にこのログハウスに辿り着くことができたが、優雅はまだ……。


 八時ならばもう函館に到着して、空港からこちらへ向かっている頃だろうと推測される。


 かなり近くにまで来ているのではないだろうか。


 早く声を聞きたい衝動に駆られたが、電話は危険なので自重。


 ひたすら待ち続けた。


 やがて西の空から完全に残照は消え失せ、夜の闇に包まれた。


 代わりに東の空からは満月が昇り始めたようだが、西の窓からは光は直接差し込まない。


 棟内あまりに暗くなってしまったため、美月姫は電気をつけようとしたのだが、


 「あれっ」


 電気がつかない。


 何回かスイッチをカチカチいじったものの、反応がない。


 蛍光灯が切れた可能性もあるため、念のため他の部屋のも確認。


 やはり灯りがつかない。


 再度テレビも確認したが、電源が入らない。


 (もしかして……電気系統の故障?)


 修理を頼もうにも頼むわけにもいかないし、テーブルの上に置かれていた蚊取り線香に火をつけて、そのわずかな灯りで暗闇を耐えた。