四百年の誓い

 「な、なにいきなり。京さんがどうしたの」


 怪しまれないよう、恐る恐る答えた。


 「いや、大したことじゃないんだけど。次はいついらっしゃるのかなって」


 「幹事長との地方巡りで、しばらく忙しいみたいだから。お盆明けじゃないのかな」


 もう会うこともないだろうとはさすがに言えず、自然体を装って対応を続けた。


 「そう……。いつもお届けものたくさんしてもらっているから、お礼しなくちゃね」


 言葉とはうらはらに、母の表情は冴えない。


 「……どうかしたの?」


 「京さんって、確かに素晴らしい人だとは思うんだけど、美月姫がどうも乗り気じゃないように見えて」


 「お母さん?」


 「お父さんの会社の会長さんから、しかも幹事長直々に登場されてのお話しだったから、美月姫も断る余地もなかったんだと今になって思い返されてね……」


 母はため息をついた。