四百年の誓い

 ……優雅の作戦は、以下のようなものだった。


 「まず美月姫は準備ができたらすぐに、家を出て」


 函館郊外の丘陵地帯に、ログハウスがいくつか並んでいる。


 ゴルフ場に隣接していて、ゴルファーが宿泊したり、本州からの観光客が別荘として用いたりしている。


 「ログハウスのうち一棟は、丸山家名義だから」


 主に優雅母子が、自由に今まで使っていたらしい。


 「そこで落ち合おう」


 「大丈夫なの? だって名義人は幹事長なのでしょう? すぐに見当が付いて、捜しに来るんじゃ」


 「今晩一晩泊まって、明日の朝早く出発すれば間に合う」


 幹事長一味は、今日から明日にかけて一泊の予定で、甲信越地方の票固め目的で、立候補予定者の集まりなどに何箇所か顔を出す。


 東京に戻るのは、明日の夜になるらしい。


 その時までは優雅が逃げたことに気付かないだろうから、明日の夜がタイムリミット。


 「俺は今日中に、飛行機でそっちに向かう。ログハウスに到着するのは、日が沈む頃になるけど待っていて」


 「分かった……」


 美月姫は優雅との通話を終えると、ひとまず帰路に付いた。