四百年の誓い

 「ア、アメリカに!?」


 想定外の事態に、美月姫は思わず大声を出してしまった。


 自転車でちょうど横を通りかかった子供が、驚いて振り返ったほどだ。


 「そう、アメリカに留学しろって。向こうは秋が入学だから、それに合わせろって。いきなりだよ」


 「そんな……。大学どうするの。せっかく頑張って入学したのに」


 「もちろん休学だよ。大学の交換留学の制度を使えば、来年は進級して復学できるって言うんだけど」


 そもそもの発端は、先刻の丸山幹事長から優雅への突然の電話だった。


 今後の地方巡りのスケジュールは全て白紙にするといきなり言われて、まず優雅は驚いた。


 それならば美月姫と会う時間を作れる……と期待が膨らんだのも束の間。


 予期せぬ留学話を、一方的に告げられた。


 しかも渡米の刻限が迫っているので、すぐに準備に入るようにと。


 「どうして……こんな急に」


 「決まってるだろ。俺と美月姫を決定的に引き裂くつもりなんだ。アメリカと日本だったら、もはやたやすくは会うことはできない」