四百年の誓い

 「そんなこと、絶対にない!」


 美月姫はきっぱりと否定した。


 あまりに大袈裟に否定して、かえって疑われたんじゃないかって心配になるくらいに。


 「だってあの人……私のことを見下し嫌っている」


 そう口にする間にも、美月姫は京の冷たいまなざしを思い浮かべる。


 「……京さんは、俺のこともよく思っていない。幹事長の後継ぎとして、相応しくないって断言している」


 「だったらあの人が幹事長の後を継げばいいんじゃない? どうして嫌がる優雅くんに押し付けようとするの、幹事長は?」


 優雅に問いかけたと同時に、美月姫は京との会話を思い出した。


 丸山幹事長の跡を、自分が継ぎたくはないのかと実際尋ねたことがある。


 政治の世界に全く興味のない優雅よりも、幹事長を崇拝し、その理想の実現に全てを賭ける京のほうが向いているのではと素直に感じた。


 だが京は、


 「俺は丸山家の影にしかなれない」


 意味不明な答えを残したのみだった。