四百年の誓い

 逃げようかとも考えたけど、それでは問題解決にはならないので、勇気を出してそのまま丸山幹事長を見た。


 運転手は今回は京のようで、後部座席にはボディーガードのボブサップが座っている。


 「何か……ご用でしょうか」


 美月姫のほうから尋ねた。


 「いや、大した用件でもないのだが。たまたまこちらで会合に出席する用事があって、函館を訪れたから。お嬢さんに挨拶しておこうと思ってね。聞けば夏休みで帰省中とのことだし」


 「……」


 「こんな所で立ち話もなんだし、これから食事にでも行かないかね。お嬢さんとは一度、ゆっくり話をしたいと思っていた」


 「食……事?」


 「ここでは近所の目もあるだろう?」


 確かに丸山の言う通りだった。


 丸山は顔を見られるのを嫌い(ここにいるのが周囲にばれたら大騒ぎになるが)、サングラスをかけている。


 だが黒の最高級のベンツ、巨漢黒人ボディガードと鋭い視線の秘書を従えたサングラスの男。


 ただ者ではないオーラをまとっている人物、地元では超有名人の与党幹事長・丸山乱雪がこんなところにいたら、大騒ぎになるのも時間の問題。