四百年の誓い

 ……。


 「お前、夏休みはどうすんの?」


 帰りの車の中で、京が尋ねてきた。


 「えっ」


 「試験が終わったら夏休みだろ。帰省すんのか」


 京は美月姫を送るためだと告げて、勧めてもアルコールを口にしなかった。


 しかも美月姫との食事の後、送り届けてからすぐに新千歳空港に向かい、そのまま最終便で羽田へと戻ると言う。


 強行スケジュールでわざわざ札幌にまで、美月姫に会うためだけに……。


 「……一週間ほど短期集中講義がありますので、それが終わってからの帰省になります」


 「そっか。なら次は函館のほうに行くことになるのか。ちょうど幹事長の後援者のところにも顔を出しておきたかったし、お前の両親にも」


 「あの!」


 「ん?」


 「いつまでこんなこと、続けるんですか」


 ちょうど赤信号に変わって停車中だったため、美月姫の声はいつもに増して車内に響いたような気がした。