四百年の誓い

 「わ、私は別に。襲われるだなんて」


 「ならばどうして逃げるんだよ」


 京が一歩近寄ると、美月姫は条件反射で後ずさりしてしまう。


 「男に免疫のないガキのふりして、裏では何やってんだか」


 優雅との交際のことをほのめかし、京は美月姫を見下したように見つめる。


 「ガキ、ガキって連呼なさいますが、そんなガキとのお見合い話に乗っかっているのは、どこのどなた様ですか」


 「そっか。俺たちは婚約者同士だったな。丸山幹事長公認の」


 急に優しげな表情に変わる。


 ただし口調は皮肉っぽいままで。


 「いいか、俺がお前と付き合っているのは、ただ幹事長が望まれるから。それだけだ。婚約者としてたまに様子を見に来る以外のことはするつもりもない」


 「はあ。そうですか」


 「お前に手を出すのは結婚後、後継者を製造するのが必要になった時だけだからな」


 そう言われて安心する反面、将来のことを考える美月姫はむなしくもなる。