四百年の誓い

 次に京自身の口から、当時の体験を語られた。


 凄まじい揺れ。


 揺れが一段落してほっとしていたら、地域の防災サイレンがけたたましく鳴り出し。


 慌てて外に出ると、海が盛り上がってきた。


 そして襲い来る波。


 もうだめだと思った時、母が彼を路肩の高台に抱え上げた。


 それが彼が母を見た、最後の瞬間。


 彼の家族はそのまま波にさらわれ、行方不明となり、母は父同様に今でも海のどこかに眠っているという。


 島には両親の墓があるが、中には遺骨が納められないままに。


 「それは、何と申し上げていいものか」


 美月姫の父も言葉を選ぶ。


 会食の席に重苦しい空気が漂ってしまった。


 「すみません。暗い話題になってしまって」


 京は恐縮しながら詫びる。


 「あの時は死ねばよかったと自分を責めましたが、今は生きていてよかったと心の底から実感しています。なぜならば美月姫さんとこうして出会えたから」


 美月姫に出会えた喜びを何気なく口にして、


 「おじさん。話題を変えましょう。ほら、せっかくですので美月姫さんのお話しをもっと聞きたいですしね」


 そして美月姫に笑顔を見せる。


 雰囲気が優雅に似ていて……でも少し違う。


 いったいどこが違うのだろう?