四百年の誓い

 「京は見ての通りのシャイな奴なもので。私が間に入って、お嬢さんとの仲を取りまとめてやらねばという使命感に燃えている次第でね。というわけでお嬢さん、京とのことを前向きに考えてやってくれないか」


 丸山は単刀直入に美月姫に依頼してきた。


 依頼とは名ばかりの、命令。


 「私もさすがに専制君主ではない。今すぐここで婚約しろ、結婚しろとは言わない。まずはお友達として交流を深めてみてはもらえないだろうか」


 言葉は柔らかく、優しげなただの提案のようにも聞こえるが。


 「でも、私……」


 「お嬢さんは、私の提案を迷惑に感じていたりするのだろうか。もしかしてお嬢さんには、実は心に決めた男性(ひと)がいたりするとか?」


 「え……」


 これまでの経緯からすると、全くもってしらじらしい発言。


 さすがに丸山自身もそう感じたらしく、言い終えた後美月姫に向けて苦笑した。


 「とんでもございません、幹事長。我が娘はもうすぐ二十歳というのに、勉強ばっかりで色よい話にも乏しくて、親としてもまことに心配している限りです」


 発言とはうらはらに、本当は娘に彼氏ができることをずっと心配ばかりしていた父親。


 謙遜してそんなことを口走ったのだが、それにより美月姫が優雅との交際を親に隠していることが丸山にばれてしまった。