四百年の誓い

 「これはこれは、大村さんのお嬢さん。噂通りの美人だね」


 会長は笑顔で美月姫を迎える。


 「先方が是非このような機会を、と私に仲介を求めてきたのも頷ける」


 (先方?)


 満足そうに社長はそう述べて、席を立った。


 「では、お呼びするとしようか」


 会長は相手方の控え室まで、美月姫の「お見合い」相手を呼びに行ったようだ。


 (お父さんに迷惑のかからない程度に、おとなしくしていよう。相手の人のお気に召さずに向こうから断ってもらえたら、一番いいのだけど)


 美月姫から断ると角が立ちそうなので、向こうから断られればいいと他力本願を臨んだ。


 (優雅くん。会いたい……)


 気の進まないお見合いの席。


 美月姫は優雅に会いたいと願った。


 その優雅は今週末、母親と二人で軽井沢の別荘に行くという。


 未だに体調が完全ではない紫と二人、丸山の別荘の一つがある軽井沢へ母子二人旅……。