四百年の誓い

 「お言葉を返すようですが」


 「何か」


 「……選挙前などの公約を平気で反故にするのは、政治家の得意技のような気がするのですが」


 「無礼な!」


 美月姫の思いも寄らぬ発言に、背後に控えていた眼鏡の秘書の男が激高した。


 「黙って聞いていれば……。無礼だぞ幹事長に向かって。小娘の分際で」


 このまま美月姫に掴み掛かり、殴ってきそうな勢いだった。


 「待て」


 「ですが幹事長……」


 若い秘書は怒り収まらぬ様子だったが、幹事長の命令には逆らえず身を引いた。


 「度胸があるのか、それとも単なる無礼者なのかは不明だが。耳の痛いことをはっきり言うお嬢さんだね」


 丸山は平気で笑っている。


 些細なことでは動じない、やはり並みならぬ度量を持った政治家のようだ。