四百年の誓い

 「私には……、何とも答えられません。ただ一つ言えることは、優雅くんはあなたとは違うってことです」


 「私と違う?」


 「優雅くんは、あなたの分身ではありません。たとえその血を受け継いでいたとしても、優雅くんは優雅くんです」


 相手は与党幹事長、この国の実質的な権力者。


 そんな雲の上の人物を目の前にしているにもかかわらず、美月姫はためらうことなく受け答えができていた。


 「ふむ、その通りだ」


 丸山は依然として余裕の表情で、腕を組んだまま美月姫の言葉に対して頷いていた。


 「優雅は君の言う通り、私の操り人形ではない。優雅にだって彼なりの意志や意図はあるだろう。だから私の意に反して、君を選んだ」


 「……」


 「だがな、いくら望んだからって、何もかもが許されるわけではない。福山家の末裔にあたる、旧華族家の令嬢との婚約話もそうだが。一度約束したことを平気で覆すのは、人間として許されないことだ」