四百年の誓い

 「振り返ってみれば、優雅は育てるのが楽な子だった。紫からの報告でも、ほとんど問題となることはなかった」


 丸山は突然、優雅の昔の話を始めた。


 「知っての通り、勉強は黙っていてもできたし、進路に関しては親の勧めを黙って受け入れた。髪を染めたり、ピアスをしたりなどといった可愛い反抗期もあったようだけど、全体的に見れば手のかからない子だったな」


 手がかからない。


 すなわちそれは、親のいいなり。


 親に気を遣って、真の気持ちを表に出せない……。


 「だから今回の一件には、本当に驚かされたよ。行動が不審だったから、まず私の秘書たちに調査を命じた。間違いないと分かってから、興信所に正式に依頼したんだ」


 「……」


 「興信所の報告書もあり、もう逃れられないと悟ったのか、優雅は全て打ち明けたよ。そして懇願するんだ。婚約話をなかったことにして、いずれ君と一緒になりたいと。そして政治の道には進みたくないと」