四百年の誓い

 「せっかく親御さんが、高い学費を払って札幌まで送り出してくれたのに。学問を疎かにして男遊びに夢中とは。親御さんも悲しんでいるんじゃないかな」


 学問を疎かに。


 そう言われた時、美月姫はカチンと来た。


 たまに授業サボったこともないわけではないが、親のことを引き合いに出されて不愉快だった。


 男と遊びまくっていると決め付けられて……。


 「お父上も函館の有名デパートに勤務しているそうだが、不況の影響を受けて経営が大変で、給料も減っているというのにもかかわらず、お嬢さんのために毎年高い学費を払ってくれているようだね。国立大学とはいえ、今は年間の負担額も」

 美月姫の家庭の事情も調べ上げている丸山は、余裕の表情で軽々と述べる。


 「……では」


 「ん?」


 美月姫の声が小さかったので、丸山は聞き返した。


 「他人の家庭の心配をなさるより、幹事長はもっと日本の今後のことをお考えになるべきでは?」


 美月姫は思い切って言い返した。