「でもお手柄だぞ、タケル。僕の功績になること間違いなしだ」
すっかりルンルン気分の三上くんをよそに、私の方は優れなかった。
だって、いつもの日常にストーカーが紛れ込んでいたなんて気持ち悪い。
いや、これはもしかしたら生理痛のせいかもしれないけど。
三上くんの職場である警察署には程なくして到着。
入口には約1ヶ月ぶりに見るツネさんが待ち構えるようにして立っていた。
さすがベテラン、遠目から見てもどことなく哀愁が漂っている。
「おぉ、三上くん。待ってたよ。お疲れさん」
「連行しました」
「事情聴取したら逮捕状を出してもらおう」
2人の警察官は貝山くんの肩を抱くようにしながら、建物の中へ入っていく。
ドラマみたいに手錠とかはしないんだなぁなんてコッソリ思ったりして。
「どうした?体調悪いか?」
ぼんやり突っ立っていたら、後ろから真山に声をかけられて胸がドキッとした。
「い、いえ!大丈夫!全然平気なのでお気になさらず……」
そそくさと駆け込むように署内へ足を踏み入れた。