ボディーガードにモノ申す!



大丈夫、大丈夫。
コンビニまで人通りの少ないところを通ることはない。
チャッチャとナプキンだけ買って帰れば何も問題ない。


むしろ若くてイケメンな男の子がレジにいたらちょっと恥ずかしいということだけが心配である。


幸いにもお風呂に入る前だから化粧も落としていない。
着替えて部屋着になっていたので、上にロングカーディガンを羽織って小さいサイズのショルダーバッグを持って外に出た。


携帯も持ったし、防犯ブザーも持ったし。
万が一襲われても護身術使えるし。


自分に言い聞かせながら部屋を出て、鍵をかけて出発した。


アパートの階段を降りていたら、下に人がいることに気がつく。
一瞬ドキッとしたが、よく見たら杉田さんだった。


「あ、こんばんは。お久しぶりです」


1週間振りに彼と会ったので、ついつい「久しぶり」というワードが自然と出てしまった。
杉田さんは仕事帰りのようで、私と偶然会ったことに驚いたのか目を見開いていた。


「広瀬さん、こんばんは。この時間に会うのは珍しいですね」

「ちょっと急きょ必要なものがあって、コンビニに買い物行くんです」


彼は相変わらず生真面目そうにきっちりとシャツをパンツにインして、特徴的な丸いメガネを少し上げてから微笑んだ。


「そうでしたか。おひとりで大丈夫ですか?その…………、変質者に襲われたって彼氏さんがおっしゃってたから」


心配そうな瞳で私をうかがう杉田さんに、慌てて手を振ってなんでもないことをアピールした。
念のため真山が彼氏ではないということは否定しないでおこう。


「あぁ、もう全然大丈夫なんです。ほんとあの人大げさに言うもんだから困っちゃって」

「世の中物騒ですから、気をつけて行ってきてくださいね」

「はい、ありがとうございます」