ボディーガードにモノ申す!



一瞬、夢か現実か分からなくなって戸惑ったものの、突然現れた真山が不機嫌そうな顔をしたので戸惑った。
そのムカつくような顔でも内心ドキッとしてしまった自分に腹が立つ。


「シッ。静かに」


真山は人差し指を口に当てて私を黙らせると、腕をつかんだまま歩き出した。


「えっ、ちょ、ちょちょちょ、なんなの一体!」


久しぶりに再会したって言うのに、笑顔のひとつも見せやしない。
それどころか迷惑そうな顔をして勝手に歩き出す始末。


真山は事情を説明することなく、人が行き交う歩道をすり抜けるように歩き続けた。


私も途中からはもう諦めて何も言わずに彼について行く。
チラリと周りをキョロキョロしようとしたら、それについて真山に「動くな」と制されてしまった。


「もうっ!なんだって言うのよ、説明くらいしなさいよ」

「ストーカーの正体、たぶん分かったぞ」

「………………え?」


予想外の返事に目が点になる。
頭が状況を飲み込めず、アワアワと口をパクパクさせることしか出来なかった。


「でもまだ確証が持てない」

「だ、誰なの?」

「確証が持てたら話すよ」


この後に及んでもったいぶるなんて酷い。
うんざりした口調でヤツに文句を言ってやった。


「教えてよケチ!」

「なんとでも言え。万が一間違ってたらスミマセンじゃ済まないからだ」


冷静な真山に言い返すことも出来ないので、ひとまず大人しく口を閉ざすことにした。
ヤツの言うことにも一理はある。


そのまま私たちは、職場であるお店まで一緒に歩いていった。