清恵とのランチを終えてお店に戻る途中、ずっとバッグにしまい込んでいた携帯を見たら、一通のメールが届いていた。
大ファンのアーティスト大谷ドミソのライブチケットの抽選が当選したというお知らせのメールだった。
一気にテンションが上がり、人混みの中で1人ニヤニヤしてしまう。
あぁ、楽しみが出来た。
仕事頑張ろう。
そう思ったところで、隣人の杉田さんのことを思い出した。
彼は大谷ドミソのチケットを、とることは出来たのだろうか。
もしもチケットをとれたなら一緒に行こうって話をしていたけれど、どうしよう。
ほんの些細な約束だったけれど、あまり有名ではない大谷ドミソをよく知る数少ない貴重な人だったから、出来ることならあの素敵なウィスパーボイスを共有したかった。
でも、でも。
真山が言うように仮に杉田さんが怪しいとしたら、それは避けた方がいいのだろうか。
ボーッとする頭でフラフラ歩いていたらトンッと肩が誰かにぶつかってしまい、ぐらっと体がバランスを崩した。
すると、大きな手が伸びてきて私の腕を引いた。
ビックリして目を丸くしていたら、そこにいたのは真山武だった。
「ま、ま、真山さん!!」



