「…なんだ。お前、ヤな奴に逆戻りだな」

小池は長い間黙ってから、俺を冷たい目で見つめてそう言い、屋上を出て行った。




…なんだよ。


結局、俺は全然変われていなくて。



岡本がいねぇーとダメな奴になっていた。



副作用で苦しそうになっていた岡本を一瞬見ただけで怖いと思ってしまった自分も嫌で。


こんな俺に何もしてやれないし、いる意味なんてないなんて思ってるのに。


考えるのは岡本のことばかりで。


初めて会った時の岡本の横顔も笑顔も俺を呼ぶ声も全部が愛おしくて。



「岡本…」


小さくそうつぶやいていた。





会いたい。


あの笑顔をもう一度見たい。