長い沈黙を破ったのは岡本だった。

「…ドッキリ?」

「違うよ」

「違くないよ…おかしいじゃん」

言ってから後悔したが、止められなかった。


つい、口に出てしまった。



「岡本…俺だって、ありえないと思ったよ。最初は嫌いだったし。でも……」

「…ごめん。お風呂はいるから」


「え」


岡本はそう言って、さっさと部屋を出て行ってしまった。



振られた?
俺。


岡本に。


嫌いだった岡本に。
ありえないと思ってた岡本に。


振られたの?俺。

つーか、なんで告白とかしちゃってんだよ…

なーんちゃってとでも言えばよかった。

冗談だと…。

なんで、違うって言ってんだよ俺。
頭悪りぃかよ…!!


わーっと頭をかく。


「…まじかよ」