「俺、風呂入ってくる」

「あぁ、うん…」

岡本のことをつい意識してしまってる自分がいる。


この状況から、逃げ出すために風呂に逃げた。




…俺、あいつのこと好きなんだ。



シャワーにあたりながら、そんなことを考える。


なんで、あいつなんだよ…。



嫌いなはずなのに。




──────



シャワーを浴びて、少しさっぱりする。


俺は岡本を呼びに2階へ上がる。


「岡本、風呂空いたぞー?」


「…」

返事が聞こえない。


「岡本ー?」

もう一度呼ぶ。


「……」

「入るぞー?」


ガチャ


…!


岡本はベッドですやすや寝ていた。



起こしては悪いか…。


そう思いながら顔を覗き込む。


ほら。


黙ってたら可愛い。


俺は腰を下ろして少しの間、岡本の寝顔を見つめる。


だめだ…。


見惚れてしまっている自分がいる。


マジかよ、俺。

マジで好きなんだ…。



「…黒…田くん?」

頭をかかえてると、岡本が起きてしまった。


やばい。


「なんで黒田くんがここにいるの?」


「あ、いや、風呂…空いたから…お前、返事なかったから…」


「あーごめんごめん。ありがとう!」

「…うん」

「黒田くん?」

「あのさ、岡本…」

「ん?」


止まらなかった。



「好きだ」