兄貴も相沢も小池も口を揃えて変なことを言う。
俺が岡本のことが好きだと。
そんなわけ…
うるさくて自分勝手で人使いの荒い岡本だ。
そんな女をどうして俺が好きにならなくちゃいけないんだ。
そう思いながら、岡本を見るたびにたびたびなる、この鼓動はなんなんだとも思う。
俺…。
「黒田くーん!!!見て!これ!」
岡本に声をかけられビクッとする。
岡本の手にはウサギの耳の形をしたカチューシャがあった。
「これ黒田くん、似合うんじゃない?」
そう言って岡本は俺の頭にカチューシャをつける。
…勝手に何すんだよ…
「ほらー!あははは!似合う!えへへへ!」
爆笑してやがるじゃないか。
「ふざけんな!」
カシャ
シャッター音が聞こえ後ろを振り返る。
「大翔ウサギ、バッチリ写真に収めましたー!」
と小池。
気安く下の名前で呼んでんじゃねーよ。
「お前らまじで…」
「似合ってる!似合ってる!」
でも、笑ってるこいつらを見るとなぜだか許せた。



