小池と海に向かう。
「ひゃー最高!!!!!海サイコー!」
「今日は、たっくさん泳ぐぞー!」
小池と相沢がそう叫んで海に走って向かう。
振って振られての関係なのに、よくあんな風に騒げるな。
「…そこ、レジャーシート敷くからどいてくれる?」
小池と相沢が海で騒ぐのをぼーっと見てたら、隣でそう言われて、振り向く。
岡本…。
話しかけてきた岡本はいつもの感じと違くて、テンションが低かった。
「…あのさ、岡本」
「黒田くんも、早く泳ぎにいけば?」
不機嫌だ。
「お前は、行かねーの」
「運動音痴だから、どうせ海に入っても溺れて誰かさんに迷惑かけるからいいの」
ムカッ
なんなんだよこいつ。
人が優しく話しかけて、謝ろうとしたのに。
「あーそーかよ。人がせっかく気遣って言ってあげてんのに」
「誰も頼んでないですけど?」
そういって、フンッとする岡本。
クソ女が。
「一生ふてくされてろ」
俺は岡本を置いて海に向かった。
知るか、あんな女。



