岡本についていき、自分のクラスの列に並ぼうと生徒をかき分けようとしたその時。
みんな俺のことをチラチラ見ながら、嫌そうな顔をして道を開けた。
んだよ…
だから、嫌だったんだ。
来たら嫌がられるに決まってる。
こんな柄の悪いやつ。
「先生!黒田くん、見つけました!」
と岡本。
「お、おぉ、サンキュ。ほら、そろそろ始まるから」
担任もちょっと戸惑ってるじゃねーか。
「…なんで来たんだよ」
「あの子、なんなの?誰?」
「転入生らしいよ」
「初日で黒田と絡むとか変わり者すぎだろ」
他の奴らは聞こえないように話してるつもりか知らねーが、丸聞こえだ。
何が思い出だよ。
こんな奴らと作れるかっつーんだよ。
「これから、第68回…」
教頭のその声で、始業式が始まった。



