それから、放課後のテスト勉強が日課になり、教室4つの机をくっつけて勉強を始める。
こんなことがもう3日も続いている。
この場に自分がいるなんて、やっぱりすごく。
変な感じだ。
「あれ…私、テスト対策のプリント一枚もらうの忘れたかも」
相沢がそういう。
「幸ちゃん。第三回目のプリント借りていいかな?今、コピーしてくるから」
「あぁ、うん!いいよ!」
「ありがとう。じゃあ行ってくるね」
「あ!俺も行く!俺も一枚それない」
2人の会話に入ってきた小池。
俺は小池の机をよく見る。
第三回と書かれたプリントが隠れてる。
あるじゃねーか。
でもきっと、相沢と2人きりになりたいのだろう。
俺と岡本は2人が教室を出て行くのを見つめる。
「あの2人。なんかいい感じだよね〜」
岡本がボソッとそういった。
「小池は相沢のこと好きだからな」
「ふぇ!そうなの?!」
ふぇって…。
「知らなかったのか?テスト勉強しようって俺に提案したのは小池だし」
「へぇーってきり、黒田くん、副学級委員として目覚めたのかと思った」
はぁ?
意味がわかんねー。
「とりあえず、俺らは2人がいい感じになるのを見守ってたらいいわけ」
そうだ。
勉強なんて、しなくていいんだ。
「そっか。…ふふっ」
「何笑ってんだよ」
「ん?黒田くん、すごく笑うようになったな〜と思って」
はぁ?
笑う?
この俺が?
お前がいるときに?
「テキトーなこと言ってんじゃねーよ」
「本当だもん。にぱーってしてるよ!にぱーって」
「にぱーってなんだよ!きもい!」
「ほらこうやって、にぱーって!」
「触んな!」
岡本に両方のほっぺたを軽く引っ張られて怒る。
「お前だっていつもヘラヘラしてんだろ!」
俺は岡本のほっぺたを同じように軽く引っ張る。
「フッ」
その顔が面白くて思わず笑ってしまう。
「ひほのはほみへわらわないへよー!」
(人の顔見て笑わないでよ)
「ブスだな」
「もー!やめてよ!!不良!」
「うるせー!うんち!」
俺たちがそんなくだらない言い合いをしてると、相沢と小池が帰ってきた。
「仲良いなーお前ら」
「楽しそう」
と2人。
人の苦労を知らないで…



