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教室に戻ろうとすると、廊下に1つだけ机がポツンと出されていた。


何かを察知して相沢が急いで教室を覗く。


「あ…」

相沢の席だけポカンと開いていた。

やっぱり相沢のか…。



「…ねぇ、エリカ」

グループのボスらしきやつにそう話しかける相沢。


「でさー、ちょーうけんだよね」

無視だ。

他の女子と話している。


高校生にもなって、いじめが幼稚すぎる。


まぁ、俺だって授業まともに受けたりしなかったけど。


「ちょっと!舞ちゃん、話しかけて…」

岡本が間に入ろうとしたから止めた。

「…何で止めるの?」

「これは、相沢とあいつらの問題だ。お前が口出すことじゃねーだろ」

「…でも」

クラス全員が注目してる。

俺たちは相沢たちを見ることしかできない。




「…エリカ!」

「…はぁ?馴れ馴れしく話しかけてこないでくれる?怖いんだけどー」

「机…なんであんなことするのかな?」

「あんたが私たちのこと裏切ったからでしょ?きもいんだけど」

「…私は…。今まで言ったこととかすごく反省してる…。ただ、エリカたちのやってることの方が…。気持ち悪いよ」

相沢さんは、涙を溜めながら、1人で自分の机を直した。


「はぁ?なんなの気色悪い、死ねよ!」


エリカというやつはそう言って教室を出て行った。

取り巻きたちは、エリカを追いかけた。




「頑張って言えたじゃーん!舞ちゃん!」

「怖かった〜」

岡本と相沢が抱き合う。

「幸ちゃん、本当にごめんね。ありがとう」

「謝んないで〜!嬉しかったから」

「…こんな私だけど友達でいてくれるかな?」

「当たり前じゃーん!ほら!黒田くんも抱き合って!」


「いや、俺はいいから」


俺はそう言って、教室をでた。



友達か。