「おぉ!いいところだねー!」
公園の広場についてそういう岡本。
そっか、転入してきたから、この町のこと知らないのか。
「なんもねーぞ?広場」
「あるじゃん!空!土!草!」
なんもねーじゃん。
「お前それバカにしてるだろ」
「してないよ!本当にいいなって思ってるもん!」
ならいいが。
「はーい、みんな並んで〜!学年主任から挨拶がありまーす」
時間になり、みんな芝生に座り出す。
「おい、黒田きてるよ…」
「また問題起こされたらたまったもんじゃねーぞ」
「こっちは受験がかかってるんだからな」
他のクラスからもそんな言葉が聞こえる。
「えーみなさん、おは……」
「黒田くんはいい人だよ?!」
!!!
学年主任が挨拶しようとすると、主任にかぶるように、1番前に座ってる岡本がそう叫んだ。
やめろ…。岡本…。
「本当のこと知らないのにさ、自分たちは見てないのにさ、噂だけで判断するのどうなの?」
岡本にも俺に対しての悪口が聞こえていたらしい。
「誰あの子」
「変な子」
と言う声が聞こえる。
「岡本さんは何知ってんの?見たの?」
クラスメイトの一人がそういう。
「…私は…見てないけど…」
「じゃあ、岡本さんだって何も言えないじゃーん」
別の誰かがそういう。
「…でも黒田くんは」
ったくよ……。
「岡本、いいから。座れ」
俺が岡本にそういうと、岡本は納得いかない顔をしながら、静かに座った。
学年主任は戸惑いながらも、挨拶をしっかりと行って、挨拶が終わるとさっそくドッヂボール大会が始まった。



