安西 優一 (サッカー部)

飯田 雅人 (バスケ部)

板野 学 (サッカー部)




これ…


ノートにはクラスメイト40名の名前がびっしりかかれていた。


「クラスの名前…」



次のページを開いても、クラスメイトのことがびっしりかかれている。


みんなの部活、好きな食べ物、席、グループ。


いつ聞き出したのかわからないものばかりだ。


幸は必死に、みんなのことを知ろうとしていた。


自分には時間がないから。


クラスを1つにするために一生懸命だった。


幸…。

お前はスゲェよ。



そして、相沢や小池のこともたくさんかかれていた。



!!


『黒田 大翔(帰宅部)』





『私のヒーロー』




何もしてやれなくて。



もらってばっかなのは俺の方なのに。




「幸が俺のヒーローだよ…」


ノートに大粒の涙をながしながらそうつぶやく。




ひどいことをたくさん言ったのに。



たくさん傷つけたのに。



それでも好きになってくれて。


好きだって言ってくれて。



嬉しかった。



キスすると照れたその顔も。

見上げる横顔も。

揺れるおさげも。



全部全部全部愛おしくて。



もっと抱きしめればよかった。


もっとキスすればよかった。



幸は俺でよかったのだろうか。


薬指で光る指輪を見つめながら思う。




「幸…」



君は、幸せだったかな。