「そちらの方は……?」
「横島涼です。詩織の付き添いなんで気にしないで下さい。」
「分かったっす。よろしくっす」
「お願いします」
涼も愛想は良いから世渡り上手だ。
レディファーストの出来る紳士だし。
「家何処だ」
「取り敢えず白百合の住宅地に行って下さい。」
「了解っす」
「白百合の住宅地って芸能人とかが住んでいるって言うあの高級住宅街!?」
流星が大きな声を出した。
思わず耳を塞ぐ。
「そうよ」
それ以外何があるのよ。
私の住んでいる白百合住宅街は一本の坂になっていて、上に行けば行く程地位が上がる。
つまり住んでいる家の場所によって近所での奥様方の順位が決まる。


