望むモノ


門に着くと、本当に黒塗りの車が待っていた。




「乗れ」




「えぇ」




車に乗り込むと、スキンヘッドのお兄さんが運転席に座っていた。




「こんち……うえぇ!?女ぁ!?」




「うるせぇぞタケ」




全員が乗り込んでも、未だにパニック状態のタケと呼ばれる運転手。





「こいつは今日から空龍の姫だ。」




「天草詩織です。よろしくお願いします。タケさん」





飛びっきりの笑顔でタケさんに挨拶すると、鼻血を出したタケさん。





「しおりん、タケは純情だから誘惑しちゃダメよん」





「別に誘惑した覚えないんだけど……」





「無自覚には困っちゃうわねぇ」





誰だよお前。




「よ、よろしくお願いします!自分タケって言います!呼び捨てで構わないっす!」





「じゃあタケ、よろしく」