「噂は全部が全部本当じゃないわけだ。」
「でも男が好きなんだろ?」
「そりゃレズじゃないもの。」
「いや、そういう事じゃなくて……」
「?」
「色んな男と付き合ってんだろ?好きじゃないのに。」
マキちゃんがニヤニヤしながら私達の会話を聞いている。
「私の事を好きな人は私も好き。私を嫌いな人は私も嫌い。ただそれだけよ。」
「歪んでんな」
私が答えると、司は意味の分からない事を言った。
歪んでる?何がよ。
だって自分の事を嫌いな人を好きになれなんて可笑しな話じゃない。
全員に好かれようなんて無理な話よ。


