「……司」




「あぁ。」




満足したのか頬を緩めた司。




「教室嫌いなんでしょ?」





「詩織が居ればどうって事ない。」





「あそ」




そういう事らしいので、司と戸塚と屋上を出る。




浜中と北谷は別のクラスだし、教室には行かないらしい。



「ブス」

「尻軽」

「ビッチ」

「男好き」

「なんで空龍と……」

「どうせすぐ捨てられるのよ!」

「どうせ身体使ったんでしょ」




3人で廊下を歩くと、容赦なく飛んで来る野次。




「おい」



司が怒気を含んだ低い声を出すと、一瞬で静まり帰った廊下。




「詩織を貶す奴は空龍の敵と見なす。覚悟しとけ」




その凜とした声は、廊下全体だけでなく教室の中まで響いた。