「ちっ」




「それだけなら私帰るから」




帰ろうと扉に向かって歩き出そうとしたら




「待て」




「……なに?」




またもや林堂司に手を掴まれた。




「俺の女になれ」




「その話は終わったわ」




「じゃあ姫になれ」




「更に嫌よ」




なんでそんな女子に恨まれる地位に着かなくちゃいけないのよ。




「何でだ」




「なんでもよ」




なんで "愛" の "あ"の字も分からなそうな男と付き合わなくちゃいけないのよ。




私のポリシーに反するわ。