望むモノ


部屋に沈黙が流れる。



ものすごく居心地が悪い。



聞こえそうな位に大きな音を立てて動く心臓。




「詩織」




「な、なに?」




司になにを言われるのかすごく怖い。




「俺、すげぇ嬉しい」




司はそう言って、私を正面から抱き締めた。




フワリと司の匂いに包まれる。




「えっ……?」




痛いくらいに抱きしめる司。



少し苦しい。




「やっと…やっと手に入れた。本当だよな?夢じゃないよな?」





「夢じゃ、ないよ」




「よっしゃ!」




普段のクールな司じゃなくて、最早 誰?って感じなんだけど……