正直逃げ出したいけど、司が居るから少し頑張れる。




チン



最上階に着いてしまった。




「詩織、大丈夫だ。」




私の手を握り直して、部屋の前に行く。





ピンポン




部屋のチャイムを司が鳴らす。




やばいくらいドキドキしている私の心臓。




思わず一歩下がってしまう。




ガチャ




扉が開いた。




「どうぞ」




出てきたのは、お父さんの秘書であり涼のお父さんだった。





私は司に続いて部屋の中に入る。




スイートルームなだけあって、すごく綺麗で広い。





リビングに行くと、テレビや雑誌で見るお父さんとお母さんがソファに座っていた。