望むモノ


「少し天草さんに話があるだけなんだ。」




涼に説明するのは林堂司の右腕でもある戸塚瑛。





私に話って何よ……




「だったら昼休みが終わるまでに返してくれれば良いよ。」





「はっ?ちょっと涼!」




何言ってんの!?




「あぁ。」




私の声を無視して会話が終わった。




そしてズカズカと私を担いだまま教室を出て、何処かへ向かう林堂司と戸塚瑛。




生徒からの視線が尋常じゃない。




私はスカートが捲れるのだけをどうにか阻止する。




別に減るもんじゃないから良いんだけどさ。




一応乙女の恥じらいとして、ね?




着いたのは屋上だった。





意外にもそっと丁寧に降ろしてくれた林堂司。