望むモノ


「犯罪だけは犯すな。私達の顔に泥を塗るような事だけはするな。いいな」





「わかりました」





それを言うと、お父さんとお母さんは席を立ち家から出て行った。




横島さんと涼くんも帰っていってしまった。




私はまた、一人になった。




誕生日を誰かと一緒に祝うのは初めてだったから嬉しかった。





でも、あの二人が私の親という感覚はなかった。





その次の日、



「転校生を紹介します。入ってきて」





「横島涼です。よろしくお願いします」





昨日の涼君が私のクラスに転校してきた。




「詩織ちゃんよろしくね」





「よろしく、涼君。」




「涼でいいよ。俺も詩織って呼んでいい?」





「うん。」





それから、私は涼と居るようになった。